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日本野球機構が2016年シーズンからキャッチャーが走者の走路を妨げる行為と、走者による危険なタックル禁止を決めました。この新たなルールについてどう思いますか?というリクエストを頂けたので僕の見解を書きます。
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以下は関連記事です。

外野手の補殺数はさらに減少も。捕手のブロック禁止で本塁のクロスプレーはどう変わるか
日本野球機構(NPB)は、今季から捕手が走者の走路を妨げる行為と、走者による危険なタックルの禁止を決めた。捕手は野手からの送球を保持するまで、本塁ベースを空けて待たなければならない。ブロックはできなくなるのだ。
メジャーリーグでは14年シーズンから同様のルールが定められているが、今回のルール改正は走者側に有利であるという見方がある。捕手は今まで無意識に行っていたブロックが禁止になることで、走者が積極的に本塁を突く場面が増える可能性がある。
クロスプレーに関しては、野球ファンとしての視点、プレイヤー側としての視点(選手目線)で意見がだいぶ変わってくる。

野球ファンとして率直な意見を言わせてもらえるなら、

「クロスプレーも真剣勝負の中の迫力あるプレーの一つだったのに...」ですが

選手目線での意見は、

「選手生命を脅かすクロスプレーはルールを明確にして規制すべきだ」

という2つのパターンで、大体の人もどちらかに分かれると思う。ですが、今回のルール規制は捕手のブロック禁止と危ないタックルの禁止の2つを同時に規制するものだから難しい話になってますよね。

危険なクロスプレーを禁止したいってことですけど難しい。

キャッチャーが安全になるようで走路を妨げるようなブロック禁止ですから結局危ないのは同じ。走路を妨げるブロックすれば走塁妨害で即1点献上ですから戦術的な意味でもリスクありです。

で、色々他の方の意見を調べたら里崎さんがちょっと前に発言した記事を見つけました。

「本塁クロスプレー」の“衝突”はもはや捕手の宿命である【里崎智也の眼】
裏をかえせば、そうした激しいクロスプレーが起こるのも、ひとえにそれが1点を争う緊迫した試合展開であればこそ。いくら「逃げない」と言っても、ボロ負けしている試合で僕らがわざわざ体を張ってブロックに行くことはないのだから、それもまた“醍醐味”のひとつとして、受け入れるのが正しい野球の見方と言えるだろう。

 もっとも、経験者の立場からすれば、日々の実戦を通して、なるべく怪我をしないブロックの仕方を身につけることも、キャッチャーに求められるスキルのひとつではある。

 僕自身がその場で踏んばらずに後ろに飛ぶことで、まともに衝撃を受けないようにしていたように、そこに介在する怪我のリスクを自分で軽減する努力も必要というわけだ。
この素晴らしいコメントに度肝抜かれましたね。まさにこの考えが大事だと思うんです。

規制を強化するにもしないにも両者にはメリット・デメリットは存在する訳で、里崎さんのように色んな視点から物事を考えていくべきだと思います。

タックルの規制を強化すれば、ダイミックなプレーは減る。
タックルを規制しなければ、危険なプレーは増え選手生命を脅かす可能性は高くなる。

微妙なラインで線引きする目が大事で、どっちも求めるのはなかなか難しい。世の中なんでもそうなんですが規制強化を続ければ息苦しさは増えて面白さは減るんですよ。

安全だけ、ルールばかりを第一に考えて動いたら世の中のサービス全部つまらなくなりますよ。いかにギリギリのラインをつけるかが大事で、そのせめぎ合いで世の中は動いてる気がするんです。

プロ野球だって、今人気が出てきているラグビーだって一緒です。

ラグビーは脳震盪を頻繁に起こす危ないスポーツですが、それに対して危ないから規制強化だと言ってそこにルールをいっぱい敷いたらラグビー本来の熱い魅力が薄れると思います。(勿論首へのタックルなどは危険すぎるので明確なルールがありますよね)

要は、微妙なラインのどこに落とし所を持ってくるかが大事。何でも完璧なんて存在しないし、それをみんながすぐに求めすぎるから変な議論になったりする訳です。

政治もスポーツもそこは同じだと思います。今回のルール規制について皆さんも一度考えて自分なりの意見を見つけてみてください。

僕は、賛成も反対も言えない難しい議論だと思いますよ今回の2重ルールは。

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